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やり手の営業マンから出版社のトップにのぼりつめたジョン・ケアリは、強引な手腕を発揮して有力な著者を次々に獲得し、一大出版王国を築いた。 彼の悩みといえば、対照的な性格の二人の息子チャールズとフィリップのどちらを後継者にするかということだった。 時あたかも戦後の赤狩り旋風が吹き荒れるさなか、ケアリ社にも下院非米活動委員会から脅しに近い圧力がかかるが、チャールズひとり強気の姿勢を崩さなかった。 だがそれを理由にケアリ家にとりつき、監視し、一族を災厄と悲劇に導くことになる執念深い男がいた。 カバー より
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カバー・デザイン:コガワ・ミチヒロ 写真:©EVA RUBINSTEIN/amana | |
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非米活動委員会の一員から今はCIAのエージェントになった男は、相変わらずケアリ一族を監視し、自分の意に添うフィリップに近づいていった。 そんなとき長男チャールズが突然の交通事故で世を去り、あとには幼い一人息子のピーターが残された。祖父ジョン・ケアリの遺言により実質的に会社を受け継いだピーターは、父の死亡時の記憶を失い、成長後も夜毎の悪夢に苦しんでいた。 そして会社の買収話がもちあがり、ピーターが反対したとき、暗い過去の悪霊が差し出す手さながら、悪辣な企みがピーターに襲いかかった。 カバー より
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カバー・デザイン:コガワ・ミチヒロ 写真:©EVA RUBINSTEIN/amana |