The Bear's Tears (1985)
Cover
『闇の奥へ(上)』 クレイグ・トーマス
田村源二訳 扶桑社ミステリー

SIS長官ケネス・オーブリーは二年ほど前からKGB副議長カプースティンとヨーロッパ各地で秘密裡に接触を重ねていた。 カプースティンから亡命の希望がよせられ、二人はその条件や手はずを話し合っていたのだ。 接触は組織を離れた個人的なもので、カプースティンはつねに独り、オーブリーのほうも工作員のハイドを随行させただけだった。 ところが、話も煮詰まった冬のウィーンでの接触で、KGBの副議長は不意に亡命の意思を翻した。 その直後、オーブリーはソ連のスパイとしてバビントン率いるMI5に逮捕されてしまう。 <涙のしずく>というコードネームを持つソ連のスパイである、というのが彼に着せられた容疑だった。 あやういところで、逮捕をまぬがれた部下のハイドは、敵味方の両組織から命をねらわれながら、オーブリー逮捕の手懸りを求め、救出にのりだした。
カバー より
カバー・デザイン&イラストレーション:荒川じんぺい

Cover
『闇の奥へ(下)』 クレイグ・トーマス
田村源二訳 扶桑社ミステリー

オーブリー逮捕劇の真相とは?  ウィーンのKGB駐在官を拉致したハイドは、その男から驚くべき人物の名前を聞き出した。 ペトルーニン。オーブリーのために大失態を演じ、アフガニスタンに左遷されたKGBの大佐だ。 今回の<涙のしずく>作戦はペトルーニンが考案した謀略だというのだ。 KGB上層部は彼をアフガニスタンへ追いやりながらも、その計画だけは取り上げ、いまそれを実行に移したのだ。 だが、計画の全貌は発案者のペトルーニン本人から聞き出さなければならない。 ハイドは宿敵を求めて単身、戦乱のアフガニスタンへ飛んだ。 繊細な野獣に変身した工作員ハイドが、駆け、吠え、襲い、逃げ、殺し、恐怖に身を震わせ、苦痛に身をよじり、ウィーン、アフガニスタン、チェコスロバキアと、地獄のなかを疾走する。
カバー より
カバー・デザイン&イラストレーション:荒川じんぺい

by Craig Thomas

Cover & Synopsis Copyright © FUSOSHA PUBLISHING INC.
Last Updated on August 9, 1997.
Htmlized by Ryuji Okuyama