拡大縮小を繰り返すと画像がボケてくるのはなぜ?



Paintgraphic2はピクセル系の画像を扱うプログラムなので、こういう現象が起こります。
論より証拠、というわけでこれを見てください。
元画像です。

Image_paintgraphic2/rekka_1.jpg

これをレコーダブックを利用し「2倍に拡大し、半分に縮小する」という操作を10回繰り返します。
と、こうなりました。

Image_paintgraphic2/rekka_4.jpg

明らかに画像が眠くなっています。
拡大縮小はコンピュータならではの描画であって非常に重宝な機能なのですが、ピクセル画像故にこういうこともある、と頭の片隅に置いておいてください。

*注意:ここで述べているのは「アレンジ」メニューにある類の、画像の一部を拡大縮小するような操作のことです。
ズームなど表示だけ拡大するのとは違います。
ズームは何度変えても画像には影響ありません。


では、なぜこういうことが起きるのか? ということなんですが。
ものすごい小さな画像(8*8ピクセル)を用意してみました。
Image_paintgraphic2/jikken_1.png

これをズームで1600%表示したのがこれです。
1つのマスが1ピクセルです。
Image_paintgraphic2/rekka_5.jpg

この画像を倍に拡大してみます。
Image_paintgraphic2/rekka_6.jpg
単純に考えて、面積は4倍になるわけですから、新しい画像の4分の3は「もともと存在しない情報」です。
コンピュータは何とか計算で、周りの色情報を手掛かりに、できるだけ元の画像に近いデータを作って空きを埋めようとします(補完といいます)が、「もともと存在しない情報」です。
完璧を求めるのは無理というものです。

半分にして元の大きさに戻します。
Image_paintgraphic2/rekka_7.jpg
元の画像と違っているのが判るでしょうか。
縮小するときには、逆に余分なデータを切り詰めなくてはなりません。
つまり情報を捨てているのです。

これらの計算の誤差が「画像の劣化」という形ででてくるわけですね。
拡大縮小だけでなく、回転や変形でも同じことが言えます。


さんざん悪いことを書きましたけれども、実際に絵を描く時に使う2~3回程度ならば、ピクセル数が十分に大きい画像ではそれほど目立ちません。目で見ても認識できないレベルであることも多いです。

なので過剰に神経質になる必要はありませんが、かっちりした線を描くのが好きな人は理屈を覚えておくといいと思います。

追記:逆にこれを利用して、イラストの線画を実際より大きなサイズで取り込んで縮小するとアンチエイリアス効果がかかり、なめらかに見えるというテクニックもあります。

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