(その1) ボクの名前はヒイロ。 ルーシアをアルテナ様に会わせるため、ルビィ、ロンファ、ジーン、レミーナたちと一緒に旅をしている。 この日は、ルーシアを魔王だと言うレオの追っ手から逃れるため、ボクたちは魔法の矢に乗った。 魔法の矢は、人を乗せて空を飛ぶ、一応乗り物だけど、矢のように飛んでいくから、まあ大砲の弾の中に人を詰めて飛ばすようなものだろう。ムチャクチャな話だよね。 そんな恐ろしい経験をしたことがある人は、そうはいないと思うから、この乗り心地の悪さは、誰にも分からないだろう。 しかも、発射する直前に、レオが魔法で妨害したものだから、それはもう最悪な気分だった。 発射する時は、その反動で体が後ろに叩きつけられたし、飛んでいる時も、中はまるで大地震のように揺れていた。おまけに中は暗くて何も見えないし、狭いからみんなで体をぶつけ合う。 はっきり言って、かなり気持ちが悪くなる。 …ちなみに… 魔法の矢に乗る直前、ボクたちは出店の豚骨ラーメンを腹がふくれるほど食べて、ボクとロンファは何故か食用ミミズの踊り食いに強制参加させられた。 …乗るんじゃなかった…。 (終) この後については、ご想像にお任せします。 |