ヒイロ:突然ですが、ボクたちは野球をやることになりました。 ジーン:ほ、本当に突然だね。 レミーナ:もちろん賞金は出るんでしょうね。 ライナス:負けたチームは、勝ったチームのメンバー全員に、一人十シルバーずつ払うらしい。 レミーナ:ってことは、勝てば九十シルバーもらえるわけね!こりゃもう勝つっきゃないわ!! 偽アルテナ:女神である妾に、断わりもなしに誰がそんなことを決めおった! ルーシア:あなたはアルテナじゃない!! ロンファ:ちなみに、チームわけはこうなったぜ。
ナル:どう見ても一人足りねーぞ。それに、どうやってこの組み合わせになったんだ? ルビィ:…あみだ? ボーガン:ゲッヘッヘッヘッヘ。ミリア様、私めがむぃごと勝利に導いてさしあげむぁしょう。 レミーナ:お母様に近よらないでくれる!! ミリア:あらあら。レミーナったら、やる気まんまんね。 ヒイロ:ボクとルーシアは別々なのか…って、ゾファー!?ゾファーがいるの!? ルーシア:ゾファー。お前はこの世界に在ってはならない存在。よって、強制消去!! ゾファー:ギャワちゃ――――――!!!! ガレオン:はうぅっ!ゾファーが消えた今、私も去りゆく運命!?友よ――――!!! 偽アルテナ:ゾファー様!! ロンファ:おいおい、一気に二人も減っちまったぞ。 マウリ:大丈夫でしょう。本格的にやるわけではありませんし…。 グェン:そうじゃの。…しかし、二人減ったとはいえ十四人。出番もらえるかのー。 ジーン:今のところ、しゃべっていないのはレオだけだね。 レオ:はっ、そういえば…。 ライナス:これで全員。では、始めるとしよう。 先攻、ルーシアチーム。一番バッター、ルーシア。ピッチャー、ヒイロ。 ナル:プレイボール!! ルビィ:あーっ、それ言いたかったのにぃっ。 偽アルテナ:女神である妾を差し置いて、何をしておる! ルーシア:あの、何をすればいいのでしょうか。 ヒイロ:ルーシア。ボクが持っている球を打てばいいんだよ。 ルーシア:分かりました。ヒイロ、動かないで!! ヒイロ:えっ? スパ――――ンッ ボスッ ヒイロ:うわあっ!た・球が…。 ルーシア:命中です。 レミーナ:ルーシア!拳銃で球を撃ってどうするのよ!だいたい、どこから持ってきたの!? ルーシア:星竜から借りました。 レオ:ジーク・ザ・ライズンか…。メガCD版をプレイした方でなければ分からんネタだな。 ミリア:ヒイロさん。はい、ボール。 ヒイロ:あ、すいません。 グェン:ほれルーシア。このバットで打つんじゃよ。 ルーシア:そうですか…分かりました。ヒイロ、動かないで!! スパ――――ンッ ボスッ ヒイロ:どひゃぁっ!!びっくりしたー!…また球が…。 ロンファ:銃にバットを詰めて撃ちやがった…んなムチャな…。 ジーン:あのねえルーシア。バットだけで打つんだよ。ほら、こうやって、飛んできた球を打てばいいの。分かった? ルーシア:はい。 ヒイロ:やれやれ。ようやく投げられるぞ。いくよルーシア!奥義『見える魔球』!! マウリ:とっても無意味ですわ。ヒイロさん。 ルーシア:ならばこっちは『消える魔バット』!! カキーンッ ボーガン:すぁすが青き星のルーシア。バットが見えますぇんな。 偽アルテナ:ふん。無意味じゃがの…って、ボーガン!球がそっちへいったぞ!はよう取らぬか!! ルーシア:あの、打ったら何をすればいいのでしょうか。 レミーナ:なにボーっとしてんのよ!早く回って! ルーシア:はい分かりました。立てたバットに額を当てて、くるくるくる…うっぷ、気持ち悪い…。 ロンファ:その場で回ってどーする! レオ:コントかこれは…(そうです)。ルーシア、一塁だ!ベースに向かって全力で進め!! ルーシア:一塁?ベース…うぇっぷ…。 ジーン:ナルの足元にある、白くて四角いのがそうだよ! ルーシア:そうですか…おえっぷ…。 ルビィ:あ、ボーガンがボールを取った!ナル、そっちに飛んで来るわよ!! ナル:まかせろ!なんたって、こっちにはコレがあるんだからよ! ルビィ:これ? ナル:超巨大グローブだ!!これなら取り逃がすことはねえ! ルビィ:…浅知恵ってゆーのよ、ソレ。でも、ゴロは上手く取ることができるの?ゴロで来たわよ、ボール。 ナル:あ、つ・掴めない…。 ルビィ:ナル…。同じ竜として、あたし恥ずかしい…。 ナルが苦戦している間に、ルーシアはちゃっかり一塁へ。 続いて、二番バッター、ライナス。 ヒイロ:ライナスか…手強そうだな。よし、奥義『見える魔球2』!!! ミリア:さっきと同じ魔球ですねぇ。 ボーガン:ゲヘへへへ。そうですなぁ、ミリア様。 レミーナ:ボーガン!何よその手は!! ライナス:ふんぬぁっ! カキ――――ンッ ジーン:さすが師匠!いい当たりです! レミーナ:きゃー、ホームランよー! ルビィ:取――――った!! ライナス:何ィ!?せ・赤竜…。ぬぅ、野球のルールに飛行禁止はなかったのか…。 ルビィ:ライナス、アウト!次はルーシアね。行くわよナル! ナル:おう、来い!! グェン:フム。投げるより、直接飛んで行けば、少々遅いが正確じゃな…ん?ルーシア、ベースを踏んでおらんのか? ルーシア:はい。 ルビィ:ターッチ!ルーシア、アウトね♪ レミーナ:ル・ルーシア、なんでベースを踏まないのよぉっ! ルーシア:すいません。では…。 レミーナ:今更踏んでも遅いの!! 結局、一点も取れずに一回裏。一番バッター、ヒイロ。ピッチャー、グェン ヒイロ:じ・じ・じ・じ・じいちゃん!?なんでじいちゃんが!! グェン:ホッホッホ…じゃんけんに勝ったのじゃよ。 ロンファ:俺は反対したんだ…。 ジーン:あたしも…。 ルーシア:??? グェン:なに。ワシはまだまだいけるぞい。ホ〜レ、投げるぞヒイロ〜。 ヒイロ:う、うん、わかったよ、じいちゃん。 グェン:ほ〜ぉれ〜〜〜い。 ぽよ〜ん ライナス:なんつう気の抜けた効果音…。 偽アルテナ:チャンスじゃ!打てぇヒイロ!! ヒイロ:え、そう?う・打つよ、じいちゃん! ぱきょろ〜ん マウリ:ヒイロさんも、気が抜けているようですわね。 グェン:ほお、やるのぉヒイロ。もう一球行くぞぃ。 ヒイロ:あ・え・う・うん、いいよ、じいちゃん。 ぽよ〜ん ヒイロ:そ〜おれ〜。 ぱきょろ〜ん グェン:ホッホッホッホッホ。どれ、もう一球。 ぽよ〜ん ぱきょろ〜ん ぽよ〜ん ぱきょろ〜ん マウリ:…ところで、今、何球目ですの? ルビィ:さあ。なんか眠くなってきちゃった。 偽アルテナ:まったく。こっちまで気が抜けてきてしもうたわ。 ルーシア:すやすや…。 ミリア:まあまあ。ほのぼのとしていいですねぇ。 ロンファ:おーい。誰か止めに行かねえのかー。 グェン:そ〜れ、ヒイロ〜…。 ぐきっ グェン:ほごぉうっっ! ヒイロ:じいちゃん!? グェン:ふがごごご…こ・腰が…。 ロンファ:こりゃギックリ腰だな。癒しても、しばらくは安静にしていた方がいい。医務室まで運ぶか。 レミーナ:大丈夫?でも、これでようやく次に進めるわ。 レオ:しかし、これで六対七になってしまったが、このまま続行するのか? ジーン:う〜ん。いいんじゃないかな。細かいルールは抜きにしてあるし。 レミーナ:おじいさん、しっかり!試合を抜けても、ちゃんとお金は払ってね! ライナス:悪魔か、お主…。 大幅に省略して、試合は八回表を迎えた。ヒイロチーム、七点。ルーシアチーム、五点で、ヒイロチームが二点リード。 ただいまの状況は、ロンファ、スリーベース。バッター、レオ。ピッチャー、ヒイロ。 レオ:ヒイロ。こうしてお前と向かい合ったのは、決闘以来だな。 ヒイロ:そうだね…。よし、本気で行くぞ!この、ナルからもらった『アルテナのボール』で!! ルビィ:ナル、あれは? ナル:ただのルーナのサインボールだ。 レオ:ならば私も、これを使わせてもらおう。我が愛バット、『シルバーシャリオン』だ!! ロンファ:おお!メガCD版の、レオ専用の最強のバット!(※ゲームでは、バットではなく剣です) レミーナ:命中率百パーセントのやつね!ちなみに、追加効果は即死…。ボールがいきものだったら、どうなっていることか…。 ライナス:いいや、ボールは生きておる! ルビィ:そのセリフ、野球でもアリなの? ジーン:レオ、がんばって!ほら、応援してあげるよ!くるくるくる…チュッv ルーシア:ジーン。それ、『情熱のベーゼ』。 ジーン:あ、しまった! ミリア:あら。レオさん、ダメージを受けましたよ。まあ、魅了されてしまいましたね。 ボーガン:ゲヘへへへ…。単純な男どぇすな。 偽アルテナ:…美しい妾がここにおるというのに…。 レオ:ジーン!あいらびゅ―――――!!!!! ジーン:きゃ―――っ『竜神掌』!!! ドゴォォォンッ レミーナ:誰か〜タンカ持ってきて〜。 ライナス:ピーポーピーポー。 ロンファ:あ〜あ。レオのヤツまで抜けて、五対七になっちまった。ジーン、代わりに打ってくれ。 ヒイロ:な、なんかよく分からないけど…行くぞ!それっ!! ジーン:なんの!レオの仇!! ヒイロ:え、ボクのせいなの? ジーン:問答無用!『流星バット』!!! ライナス:おお!闘気をまとったバットが球を打った! マウリ:ああ!ジーンさんの手からバットがすっぽぬけましたわ!! ドガッ ヒイロ:ゲフゥッ! ボスッ ボーガン:ゲヘェッ!! ルビィ:あ、そうかあ。『流星脚』って、直線上の敵を攻撃する技だったっけ。 ナル:だから、マウンドにいるヒイロと、二塁にいるボーガンに、バットが当たったのか。 ゲシッ ナル:ぶごォッ!!! ルビィ:きゃーっ!ボールがナルにぃ!! ロンファ:ゲッ!一気に三人も負傷しやがった!くそっ、忙しくなるな。マウリ、手伝ってくれ! マウリ:分かりましたわ! ライナス:ピーポーピーポー…くっ、三人は重いな…。 ルーシア:待って!ヒイロ、ヒイロー!! ミリア:ボーガンさん、大丈夫? ボーガン:ゲッヘッヘッヘ…ミリア様がお側にうぉられれば…ゲフォッ! ミリア:まあ大変。私が看てあげますよ。 レミーナ:お・お母様…心配だわ。あたしも行く!! ルビィ:ナルぅ〜、死んじゃヤダ〜っ。 偽アルテナ:これ、お前ら、そろってどこへ行く!! ジーン:…あたしもレオの様子を見てこよっ。 偽アルテナ:妾を一人残して行くつもりかえ! 結局、全員医務室に行ってしまったため、当然試合は中止。 レミーナ:最後の回では、こっちが五点、そっちが七点だったわね。で、ジーンが打った後、そのまま続けていれば、ロンファとジーンで一点ずつ、合わせて二点取れていたわけだから、結果は七対七で引き分けになっていた。だからそっちの勝ちじゃないわよ!! ナル:い・言われなくとも、金は請求しねーよ…。 ライナス:男性陣は、ワシとロンファ以外、全員負傷か。 ガレオン:私はもっと悲惨だったぞ。 偽アルテナ:む、なぜガレオンがここに?…ということは、ゾファー様も!? ゾファー:フハハハハハハッ!! ルーシア:無駄です。 ちゅど―――――んっ ゾファー:ぐはあ―――っ!! ガレオン:またか―――っ!! ヒイロ:静かにして…傷が…。 (終) <あとがき> 野球のルールもロクに知らないクセに、こんなお話を書いてしまいました。br> …まあ…でも、思いついてしまったわけですし…。br> 野球について詳しい方。ここは違う!…と思うようなこともごさいますでしょうが、ソレ承知の上での創作ですので…(汗)間違っている点がありましたら、指摘してください。 |