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独り言

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 発端はスーパー・カブだった。
営業用の原付だったが私に火を点けるには充分な存在だった。
それから二年。四輪の免許を取得すると車に魅了され邁進した。
 
 昭和56年。上野にてCB750FZブルー美人に出逢うやいなや瞬時に虜となった。
もうろうとするうちに三年の月日が経ち、漸く出戻りのFBを娶った。
しかし、欲望の熱はいっこうに下がることはなかった。
検査費用を握りしめて売買欄を検索する日々が数年続いた。
 
やがてFBBFC姉妹を入籍。歓喜に浸る。
しかし、存続費用が枯渇。乗車拒否及び経年変化に見舞われ発症する。
逐一、問診に力を注ぐ。
が、共に異音を奏でるだけでいっこうに良くなる兆しは見えなかった。
野次馬の揶揄をバネに、教本をバイブルに治療に専念することしばしば。
しかし、ジグと技量不足のために中断を余儀なくされた。
徐々に熱は冷め血圧が下がり始めた。
しかしその頃、急に回りが見え始めた。
病原菌の棲家を突き止めた!。
ただちに消毒を行う。
目詰まり部分を清掃する。
徐々に異音が減少。全員が運動可能なまでに回復した。
 
気がつけば、二十余年が経っていた。             

CB750F 長田