よみがえれ! フォークス  file 015
 
 
■文明           
作詞: 笠木 透    作曲: 坂庭賢亨
*見上げてごらん 無限に広がる 
 この広い銀河系宇宙で 
 いつかはきっと 太陽は燃え尽き 
 いつかはきっと 暗黒の世界が 
 やってくるだろう 

 こわがることはない どうせこの星に 
 終わりがあるのだから 
 自爆することはない 
 ゆっくり生きていこう 

     人間が文明を持った生き物なら 
     文明が地球を救うだろう 

     文明とは核兵器を作ることではなく 
     人間を殺さないことだ 
     文明とは原発を作ることではなく 
     電気を節約できることだ 

 見上げてごらん 無限に広がる 
 この銀河系宇宙で 
 いつかはきっと 地球は滅び 
 いつかはきっと 虚無の世界が 
 やってくるだろう 

 おびえることはない どうせこの星に 
 終わりがあるのだから 
 自滅することはない 
 ゆっくり生きていこう 

     人間が文明を持った生き物なら 
     文明が地球を救うだろう 

     文明とは軍隊を持つことではなく 
     非暴力を貫くことだ 
     文明とは法律を作ることではなく 
     人間を差別しないことだ 

* (くりかえし)

 有事法制が成立してしまいました。「戦後」が終わって、「戦前」が始まったのでしょうか。  世界は、この国はどこへ行こうとしているのでしょう。新しい世紀になったというのに、希望は見えてきません。「文明」ではなく、「野蛮」へ、ますます、滅びに向かってつき進んでいるようです…… 

 笠木さんは 「高度な物質文明を考えさなければ、と思って作りました」と、おっしゃっていました。 「本当に文明と呼べるのは何か」。これがわからない人には未来を築けないでしょう。 

 科学技術がいずれ環境問題を解決するだろう。無公害で無尽蔵のエネルギーが発見されるだろう。……そんな無責任な迷信は、文明ではありません。カルト教団と大差ありません。 
  この歌に唄われるような、本当の意味での文明が必要とされているのです。 

 詞も曲もちょっと洗練されてない感じがするのですが、このサビの部分の詞がとても印象的なのです。 出だしは「あなたが夜明けを告げる子供たち」、続いて「少年よ」を思い出させる詩になっています。 

 省悟さんのボーカルです。 
 フォークスでは、作曲者が主にリードボーカルをとるというスタイルで、我夢土下座時代からの曲は笠木さんがボーカルでした。時代が下がるにつれて笠木さんのボーカルの比重が減り、若手が中心になってゆくのですが、中でも坂庭さんのボーカル曲が多かったです。 
 『日本のフォーク特集号4』で、坂庭さんが「独立したプロのフォークシンガーという意識が生まれたのはフォークス」というようなことをおっしゃっていたのは初耳で、少し驚きました。

CD: 未収録
 
 
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Upload: 03/11/2