よみがえれ! フォークス  file 18
 
 
■長良川 
作詞: 笠木 透    作曲: 坂庭賢亨
日本海を渡る 人たちの目じるし 
そびえ立つ山 白い白山 
雪解け水が 清水となって 
生まれたばかりの 川は流れる 

* 山から海へ 緑を運び 
  海から山へ 魚は上る 
  とうとうと とうとうと 流れる長良川 
  このままで このままで 流れよ長良川 

谷間の町だよ 郡上八幡 
赤いちょうちん 盆踊り 
町のざわめきを ぬうように 
水の音がする 川は流れる 

* (くりかえし) 

空が広いね 濃尾平野 
水に飛び込む 黒い子どもたち 
堤防を走る ランナーの姿 
陽ざしを浴びて 川は流れる 

* (くりかえし) 

太平洋を 泳ぎまわり 
母なる川へ 帰って来た 
サツキマスよ 銀色の光り 
水鳥の声 川は流れる 

* (くりかえし)

 川の流れを上流から海へとたどりながらその情景を唄った、笠木さんと坂庭さんの共作、その名作の一つです。目をとじれば川のせせらぎが、まわりの風景が、耳に、目に、ほら、浮かんできます。 
 フォークスでは笠木さんのボーカル、CDでは増田康記さんです。 

 私たち文明人は、とにかく自然に手を加えずにはいられないらしいですね。 
 最後の清流と呼ばれた長良川にも、反対運動空しく河口堰が稼働してしまいました。サツキマスの遡上は確実に減っているそうです。 

 山から海へと流れてゆく一方の有機物を、再び山へ上げているのは遡上する魚や、その魚を食べている鳥たち、けもの達です。これが想像以上の役割を果たしているんですって……自然のサイクルには本当に感心してしまいますよね。 

 「持続可能な」とか、「両立」「共生」「エコ」といった言葉を目くらましに使う経済成長信仰者たちは、こういった、自然のフクザツで見事な仕組みを本当に、私たち人類の浅知恵で人工的に模倣できるというのでしょうか。一からすべて設計して、長年に渡って滞ることなく動かしてゆくことができると、本当に思っているのでしょうか。 
 できるとしたら、チリ一つ、廃熱一つムダに出来ない、リサイクルに振り回される社会となるのではないでしょうか。しかも、彼らの頭にあるのは「モノ」のリサイクルだけ。エネルギーはいくらでも使う気なのです…… 

 それよりは、既存の生態系システムを極力利用する社会を作った方が、よほどよいのではないかと思うのですが。 
 大丈夫、困るのは大企業や権力者だけで、私たち庶民にはいいことづくしですから。

CD: 私の子供たちへ(笠木透作品集)
 
 
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upload: 04/5/15