よみがえれ! フォークス  file 09
 
 
■ネムの花咲けば            
作詞: 笠木 透    作曲: 中村俊道
真夏の花だよ ネムの花咲けば 
遥かな日々 おもいでがにじむ 
ぼかし模様の 羽根をひろげた 
蝶々のような ネムの花びら 

* 遠くへ行ってしまった人よ 
  もう一度おまえに あいたいのだよ 

夏うぐいすが 山で鳴いている 
うすべに色の ネムの花びら 
さわれば緑の 葉をとじてしまう 
はじめて君に 触れたときのよう 

* (くりかえし) 

空にひろがる 虹をうつして 
枝をひろげた ネムのこだち 
むしろをしいて 横になれば 
あの日と同じ 雲が流れてゆく 

* (くりかえし) 

 淡々とネムの花を歌った後の落差。サビの部分、大切な人を失った切なさをこらえる姿が痛いほど伝わってきます。 

 「初めて君に触れたときのよう」ってところがいいっすね(あ、あんまりえっちに解釈しないでね〜物理的に触れたとは限らないのよん)。 

 どんな気取ったヒット曲よりも、こんなさりげない歌の方が、私の心には響きます……こんな、何でもない身近な花をうたった歌が、流行歌に混じってもっと唄われる世の中になって欲しいものです。 

 フォークスでは笠木さんのボーカルでした。凪の座のCDではショートバージョンで収録されています。 笠木さんが中村俊道さんのお父さんを歌った歌だそうですが……凪の座の歌では「光の海」「君は恵那山」も大好き。 

 凪の座は、山口県光市を中心に活動してきた上田達夫さん、久村栄二郎さん、中村俊道さんの3人のバンドで、笠木さんや、ともやさんからよく名前は聞いていたのですが、実際に見たことはないんです。昨年、中村さん、久村さんが相次いで亡くなられたそうで、とても残念に思います。ご冥福を祈りたいと思います。

神代植物公園にて
CD: 凪の座
 
 
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