よみがえれ! フォークス  file 08
 
 
■1989年6月4日日曜日 天安門広場             
作詞: 笠木 透    作曲: 田口正和
食べることが大好きな民族の
その子供たちの君たちが
食べることをやめた
ハンガー・ストライキ 自由のために
ハンガー・ストライキ 民主主義のために

* 自由とは知りたいことを知り
  言いたいことが言えることだ
  歯車は決して 逆転しないだろう
  殺された君たちを ぼくは忘れない
  民主主義万歳!

おしゃべりが大好きな民族の
その子供たちの君たちが
おしゃべりをやめた
人民解放軍の銃が 人民を撃ち
戦車が踏みつぶす
自由と民主主義

* (くりかえし)

肌をさらすことをきらう民族の
その子供たちの女子学生が
着ていたシャツを脱いだ
友の傷口を おおうために
血に染まる やさしい心

* (くりかえし)

銃口から国家が生まれると
教えられてきた君たちが
銃口の前に立った
非暴力無抵抗 自由のために
非暴力無抵抗 民主主義のために

* (くりかえし)

 「社会主義国家と呼ばれていた中国で、あんな悲惨な事件が起こるとは、だれが予想しただろう」
 「この百年、ぼくらは、この地上に、ぼくらが亡命したくなるような社会主義国家を持つことができなかった」
 「ぼくらは、ぼくらの希望を、遠くアメリカや中国に求めるのは、この辺でやめにしようと思う。いま自分の立っている、この町で、自分の出来ることから始めるしかないだろう」

 ……89年、第5回博物詩のパンフレットに寄せられた、笠木さんの言葉です。

 民主化を求める学生たちを弾圧した中国の人民解放軍。そのニュースは世界の人々に衝撃を与えました。

 「無残な形で終わってしまったが、非暴力無抵抗という素晴らしい、次元の高い民衆運動をこの10年、見たことがなかった」

 あれから10数年。豊かになりつつある中国の映像を見ると、心が痛みます。私たち日本人のように、ものの豊かさで飼い慣らされてゆく中国の人たちが、かわいそうでなりません……

 89年、新たに加入した松崎君のフォークス・デビュー曲。この重い重い歌を、全身全霊を込めて叫ぶように歌います。コーラスの美しさも心を打ちます。最後の「民主主義万歳!」は、中国語で「ミンズーズーイ、ワンスェイ」と唄います。  

 「民主主義の根源にある言論の自由は、反対意見や、少数意見を発言する自由なのだ。小さな意見や、反対意見の中に、次の時代を用意する芽があることを、ぼくらは歴史から学んだはずだ」

 「歯車は決して逆転しないだろう」という言葉を信じたいです。 
 「朝露」にも「でも時代は決して 後戻りはしないだろう」という詩がありましたね。 

 (佐藤孝雄さんがSAMと一緒に作ったCD「マイペンライ」には「ノーコメント」という、天安門事件1年後をうたった歌があります)

CD: 未収録
 
 
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