よみがえれ! フォークス  file 04
 
 
■海よ             
作詞: 笠木 透    作曲: 坂庭賢亨
ひとつの世界 それは海  
大いなるもの それは海  

何という海の深さだろう  
ときどき海を見たくなるのは  
海から生まれて来たせいだろう  

ひとびとの生きた八月  
ひとびとの死んだ八月  
核戦争で滅びてゆくのだろうか  
でも海だけはありつづけるだろう  

* おろかなぼくらに 海はやさしい  
   おろかなぼくらに 海は美しい  

ひとつの希望 それは海  
すべてが始まる それは海  

何という海の広さだろう  
ときどき海へ行きたくなるのは  
海を渡ってきたせいだろう  

ひとびとの消えた八月  
ひとびとの滅びた八月  
核戦争の後には氷の地球  
でも海は再び命をやどすだろう  

*(くりかえし) 

  ひとつの世界 それは海  
  大いなるもの それは海  
  ひとつの希望 それは海  
  すべてが始まる それは海  

 フォークスの原点であり、初期の代表曲。坂庭賢亨さんのボーカルが力強いです。 
 ベルリンの壁崩壊・ソ連崩壊・冷戦終結前で、「核戦争」という言葉がより現実的だった頃の歌。でも、今も核はなくなってないし、この歌の価値は決して失われていません。 
 「核の冬」については、飛散する塵の反射率によって「核の夏」になるという説もありました。 

 ギターのストロークと、安達元彦さんの激しいピアノが強烈に訴えかけてきます。ピアノのソロが入る第3、4回博物詩のアレンジが好き。荒々しさは自然の力強さ、それとも怒り? 
  
 「何という…」「…だろう」という歌詞は笠木さんの詩にはよく見られる表現。 
 「きらきら」では「何という大きなさみしさだろう」 
 「山川草木」では「何という安らぎ」「何という限りなさ」など。 
 「ぼく」では「何という大きなひとりぼっちだろう」……という具合。 

 「〜よ」っていうタイトルも多いですね。「少年よ」「サシバよ渡れ」「生よ輝け」「遥かな遠い夏よ」「恋人よ」「さようならわが友よ」「少女よ」「デコ坊よ」 

 反核をテーマにした歌は「今を限りの」「ひとつの海へ」など、他にも多数あります。 
 「海」という別の歌もあります。タイトル、紛らわしい……ちなみに「海」は、ナターシャの「青い海のお墓」の歌詞違い。 
 

足摺岬にて
CD: 未収録
 
 
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