・第七章 愁いの瞳「では、そのソフィスタという者に、魔法生物を生み出す技術を捨てさせればよいのですね」祭壇の上で宙に浮いている女性は、メシアの問いに、ゆっくりと頷いた。 『ええ。そして、己の犯した罪が、どれほど重いものかを知らしめるため、罰を与えて下さい。その方法は、あなたの思うようにお願いします』 神であると言う女性は、口こそ動かしてはいるが、その声は、耳から聞こえてくる声とは違い、メシアの頭の中に直接響いてくるものだった。 メシアは「分かりました」と答え、頭を下げる。 『何も心配は要りません。私は、あなたを信じています。さ、顔を上げて下さい』 神は、祭壇の上からメシアの前へと移動した。そして、顔を上げたメシアの左手を取り、両手で包み込んだ。 しばらくして、神が手を離した。包まれていたメシアの左手には、紅玉があしらわれているアクセサリーが、はめ込まれていた。 『この紅玉に、私の力の一部を込めました。あなたの心に反応し、その力を発揮します』 「私の心に…?」 『ええ。身につけているだけでも、あなたを様々な攻撃から守ります。どうか、役に立てて下さい』 「はい。ありがとうございます」 メシアは、再び頭を下げた。神は、少し困った顔をする。 『礼は言わないで下さい。このような役目を、あなたに押し付けてしまうことを、私は申し訳なく思っています。しかし、絶大な力を持つとされている私は、本来あなたたちに関与してはならない存在。…その紅玉にも、あまり強い力を込めるわけにもいかないのです。…でも…』 神は、メシアの両手を取り、優しく微笑んで言った。 『あなたは優しい心の持ち主。慈しみの心を持ってすれば、それは強い力となり、この紅玉から現れることでしょう』 * …慈しみの心…? メシアは顔を上げた。しかし、目の前にいるのは、神ではなくソフィスタだった。 「うわあっ!!」 「わっ」 メシアは、大きな声を上げて驚き、ソフィスタは、その声に驚かされる。 「あ、あ?ソフィスタ?あれ、ここは…」 メシアは、仰向けになっていた体の上半身だけを起こした。体に掛けてあった毛布が、腰までずり落ちる。 「保健室だよ。そんなに驚くことはないだろ」 ソフィスタの言う保健室の意味は、メシアには分からなかったが、朝、ソフィスタに叩きのめされた後に目を覚ました部屋であることは分かった。 「えと…私は…」 メシアは、記憶を整理しようとした。しかし、それに気付いたソフィスタが、先に説明する。 「マリオンと戦ったことは覚えているよな。あの後、お前は急に眠っちまったから、あたしがこの部屋まで運んで寝台の上に寝かせた。それで、昼ちょい過ぎになって目を覚まして現在に至る。以上」 「そ、そうか…む?」 その時メシアは、下着以外の服を脱がされた状態で、毛布に包まれていたことに気付く。 「ソフィスタ、私の装束は?」 「ああ。汚れていたし、傷の手当てもしなきゃいけなかったから、脱がせたんだよ。明日、あのでかい布と一緒に返してやるから、心配すんな」 そう言って、ソフィスタも寝台に腰をかけた。 「しっかし…どうなっているんだ?お前の体は」 ソフィスタは、メシアの背中を軽く叩いた。 「マリオンの光線や、あたしの魔法を喰らって、よくあの程度の怪我で済んだもんだ。しかも、その怪我だって、もうほとんど治ってるよ」 ソフィスタに言われ、メシアは自分の体を眺める。 体の汚れは、ソフィスタが落としてくれたのだろう。血もこびりついておらず、所々に負った傷は、痕だけ残して塞がっている。 さすがに酸で焼かれた両足首は、完全に癒えてはいないようだ。包帯が巻かれており、少し力を入れると痛む。 床をも一瞬で溶かすものを出す髪に巻かれ、よく足が千切れなかったものだと、自分でも驚く。 …そうだ!セタとルコスも、マリオンの髪に…! 「おい、ソフィスタ!セタとルコスはどうした!あの者たちは大丈夫なのか!?」 メシアは、ソフィスタの肩を掴んで言った。そこに、セタとルコスは張り付いていない。 「あいつらなら、別の部屋で療養中だ。さすがに体を半分も溶かされると、自力で回復しきれないからな。明日には、元に戻るよ」 「そうか。では、心配はいらぬのだな」 メシアは、ソフィスタの肩から手を離し、ほっと胸を撫で下ろす。 「あいつらの体は、打撃も斬撃も通じないし、魔法や酸にもわりと耐えられるんだけど…どうしてあんたの体のほうが丈夫なんだ?」 ソフィスタは、呆れたような顔でメシアを見ている。 「…いや、単純に私の体が丈夫だから…というわけだけではない」 メシアは、左手の甲…紅玉に右手を当てて言った。 「全ては、神のご加護だ」 そして、顔を下に向け、祈るように目を閉じた。 「…神の、ね…」 メシアの言う神の存在を、完全に信じたわけではない。しかし、一瞬にしてマリオンの体を霧に変えたことを思い出すと、あの紅玉には、計り知れない力が込められていることは確かだろう。 そう考えたソフィスタは、メシアに話しかける。 「なあメシア。その紅玉って、ずいぶん強い力が込められているみたいだけど、その力で、一体どれだけのことができるんだ?」 メシアは目を開くと、顔を上げ、ソフィスタと向かい合った。 「いや、これそのものには、あまり強い力は込められていないはずだ。できることは…紅玉の光を実体化させ、標的に打撃や圧力を加えることや、精神的にも強い圧力をかけること…」 それを聞いたソフィスタは、メシアと初めて会った時のことを思い出した。 あの時、メシアに襲いかかろうとした者たちが、紅玉の光を浴びると、次々と気を失っていった。 おそらく、光を実体化させ、頭を打つなりして昏倒させたのだろう。 セタとルコスに紅玉を向けた時に感じた危険は、単なる威嚇だったのだ。 「だが、その力も強力なものではない。力に頼りすぎぬよう…我々の生活に、影響を与えてしまわぬよう、あえて神はお力を抑えたのだ」 「ふーん。でも、アレは?マリオンの体を、一瞬で霧にしたヤツは?あんな力、魔法でも見たことないよ」 ソフィスタはメシアに問いかけたのだが、逆にメシアが「へっ!?」と声を上げて驚き、ソフィスタに尋ねてきた。 「体を霧に!?マリオンは霧になってしまったのか!?」 「そ・そうだよ…って、覚えていないの?」 「ああ。マリオンの体に拳を叩き込もうとした所までは覚えているのだが…」 メシアは、う〜んと首をひねる。 「でもさ、その紅玉は、お前の心に反応して力を引き出すんだろ?あの時、何を考えながらマリオンを打とうとしたんだ?」 「うむ。あの時、私は…」 メシアは、辛そうな顔で答える。 「マリオンの苦しみを、一瞬で取り除いてやろうと…そして、死から逃れることが叶わぬのなら、せめて生命を育むものの一部となって、その命を生かしてくれ…そう願い、私は神のお力を紅玉から引き出した」 メシアは再び顔を下に向け、目を閉じた。まるで泣いているかのような表情ではあるが、涙は流していない。 「…だが、マリオンを救えなかったことに変りはない…」 勝手に作り物の体に息吹を吹き込まれ、好きなように生きることができず、苦しみながら息絶える。そんな姿を、メシアは見たくなかった。 だが、それが現実のものとなっても、逃げ出すわけにはいかない。 体が崩れ始め、ミーリウに見放された、マリオンの命。しかし、メシアは最後までマリオンの命を労わっていた。 酸で足首を焼かれても、光線を全身に浴びせかけられてもマリオンを憎むことなく、紅玉の力と共に拳を叩き込んだ時も、せめて魂は救われてほしいと願っていた。 …慈しみの心を持ってすれば、それは強い力となり、この紅玉から現れる…。 神の言葉を、メシアは心の中で復唱する。 「…マリオンの体が霧と化したのであれば、それはいずれ大地へと伝わり、生命を育むことであろう。…いい結末とは言えないが、その点は安心した…」 メシアは、ソフィスタに悲しげな笑みを見せる。 どうも、こういう雰囲気が苦手なソフィスタは、「そうか…」と一言呟くことしかできなかった。 「あ、そうだ。その紅玉の力を使った後って、毎回…っつっても、まだ二回しか見ていないけど…倒れているよな。それって、お前の何らかの力と引き換えに、紅玉から力を引き出しているからなのか?」 そして、しばしの沈黙の後、話題を紅玉へと戻した。 「…そうは聞かぬが…」 「でも、あたしと初めて会った時に、力を使った後、腹を空かして倒れたじゃないか。それに、マリオンと戦った後も、急に眠って…」 「ああ、それは、この街に着いてから、お前を探し出すまでの数日間は、何も口にしていなかったからだろう。マリオンと戦った後も、単に疲れたから倒れただけではないか?」 「あ、そう…って、何で数日間も何も食っていなかったんだ?」 マリオンの時に関しては、光線を全身に浴びたこともあったし、いつ倒れてもおかしくない状態だったので、まだ納得はいく。しかし、出合った時のことに関しては、それだけ疑問に思ったので、ソフィスタはメシアに尋ねた。 「それがな…人間は金というものと交換することで、食料を得ているだろう。私は金を所持しておらぬし、近くに狩りができるような場所もない。それに…」 メシアは、少し寂しげに声のトーンを落とす。 「人間にとって、私の姿は怖いらしく、ここへ来る前に寄った人間の街では、化け物と言われて追い駆け回された。だから、この街に着いてからも、なるべく人間の目につかぬよう、隠れるようにしてお前を探していた」 確かに、メシアの体は大きいし、見たことのない種族なので、一目見ただけでは怖がるのも当然だろう…と、ソフィスタは思う。 「だからなソフィスタ。お前が私を怖がらず、飯まで食わせてくれたことが、とても嬉しかったのだ。お前の罪を許すことはできぬが…心から感謝しておる」 ソフィスタがメシアを怖がらなかったのは、魔法の腕には自信があったし、何より彼を研究の素材として見ていたからだ。飯を食べさせたのも、彼を調べるために仕方なくやったことだった。 その上、メシアに何度も攻撃を加え、挙句には騙して研究のために彼を手元に置いた。 感謝されることなんて、何一つとしていない。いくら騙されていることに気がついていないとは言え、心から感謝するなんてバカの一種だと、ソフィスタは思ったが、それをわざわざ口に出す必要はないので、黙っておく。 「…別に。あたしの神経が、他のやつらとは違うだけだよ」 ソフィスタは、ひねくれた言葉を返し、そっぽを向いた。 「…なあソフィスタ。まだ魔法生物を作り出す技術を捨てる気にはなれんか?」 そんなソフィスタの肩に手を乗せ、メシアは言った。ソフィスタは、顔をメシアへと向ける。 メシアは、真剣な眼差しでソフィスタを見つめている。 「マリオンを見て分かっただろう。あの者のような、可哀そうな生命体を生み出してしまう恐れも大きいのだ。己の罪を知り、罰を受け入れろ」 メシアの言葉、そして悲しみの色を宿している瞳は、ソフィスタを戸惑わせた。 さすがのソフィスタも、マリオンのことは可哀そうだと思うが、自分がセタとルコスを作り出したことを罪と認めるまでには至っていない。 「う…その…え〜…」 昨日の口論では、熱くなっているメシアに対し、冷たい言葉で言い返すことができたし、今でも考えは変っていないはずなのだが、どうも、それを口にする気にはなれない。 昨日とは違い、メシアの口調が悲しげなものだからだろうか。しかし、他の人にそんな口調で話されたことなら、今までにも何度かあったはずだ。そして、それを冷たくあしらったことも。 …あーくそっ!何かこいつとはやりづれ〜! 心の中で叫ぶソフィスタに、さらに追い討ちをかけるように、メシアが言った。 「お前には、セタとルコスの身を案じる、優しい心があるではないか。ならば分かるはずだ。そして、その心を…私にも向けてくれ。もう、あのような形で命を奪うことは、嫌なのだ」 突然、ソフィスタがメシアの手を振り払った。 「わっ…ソフィスタ?」 ソフィスタは立ち上がると、驚くメシアに背を向け、数歩離れた。 「ソフィスタ!貴様、まだ分からぬのか!!」 「うっさい!黙れ!!」 メシアに背を向けたまま、ソフィスタは怒鳴った。メシアは、ひるまず反論しようとするが、先にソフィスタが口を開き、さわぎ始めた。 「あっあのなあ!あたしのことを優しいだとか言うんじゃねえ!!それに、そんな顔で…えっと…あーもーとにかくだなあ!あたしは魔法生物を大量に作り出す気はねーし、元々他の研究をするために…イヤ、その、何だ…」 ソフィスタが何を言おうとしているのかが分からず、メシアは首を傾げる。 「ソフィスタ。何を言っているのだ?落ち着いて話さぬか」 「だからなあ…ま、魔法生物を作り出す気はねーよ!でも、昨日言った通り、お前はしばらくあたしと一緒に暮らせ!それだけだ!!」 吐き捨てるように言うと、ソフィスタは足早に部屋の出入り口へと向かい、引き戸に手をかけ、勢いよく開いた。近くを歩いていた生徒は、驚いてソフィスタを見る。 「待て!どこへ行く気だ!!」 「お前に着せる服を借りてくるだけだ!すぐ戻るから大人しくしていろ!!また誰かについていったりすんじゃねーぞ!」 ソフィスタは、寝台から降りようとしたメシアに、背を向けたまま念を押すと、部屋を出た。引き戸を閉める勢いは強く、その振動は、メシアが乗っている寝台にも伝わった。 「…ハァ。どうもあいつは苦手だ…」 戸を閉めた後、ソフィスタは一息つき、顔を下に向ける。 「でも、まだ調べたいことがあるし、我慢すっか…」 そうぼやいた彼女の顔は、赤く染まっていた。 一方、部屋に残されたメシアは…。 …あ、怪我の手当てをしてくれたことに、礼を言っていなかったな。戻ってきたら言おう。 足首に巻かれた包帯を見て、そんなことを考えていた。 ・エピローグ一番大きいサイズの白衣をアズバンから借り、メシアに着せてやると、ソフィスタは彼を個室へと連れて行くため、保健室を出た。保健室には他の生徒や教授も出入りするし、メシアの足も痛みなく歩けるまでに癒えたので、保健室より個室へ連れて行ったほうが落ち着けるだろう…そう考えた上での判断だった。 ということで、二人は個室へと向かって廊下を歩く。 歩きながら、ソフィスタはメシアに白衣を着せたことを後悔していた。 一番大きいサイズの白衣でも、袖は短いわ、筋肉で張り詰めているわ、ズボンを履いていないので生足が見えるわ、肌は緑色だわで、とてもとてもとても似合わない。 いや、似合う似合わない以前に、白衣の下には下着しか身につけていないので、変質者に思われそうだ。むしろ、思わないほうがおかしい。 すれ違う生徒や教授たちも、そんな目でメシアを見る。 …ズボンも履かせたかったんだけどな…でも、こいつに合いそうなサイズのズボンを持っていそうなヤツなんかいないし、あっても似合わないことには変わりないし…。 悩むソフィスタをよそに、メシアは何やらきょろきょろと周囲を見回している。 「どうしたメシア。何か探しているのか?」 それに気がついたソフィスタは、メシアに声をかける。 「うむ。ミーリウはいまいかと思ってな」 「は?ミーリウを探してどうする気だ?」 「どうするもこうするも…奴も罪人なのだ。裁きを下すに決まっておろう」 それを聞いたソフィスタは、立ち止まり、疲れたような顔で下を向く。 「ん?どうした」 メシアも歩みを止める。 「…メシア。お前が裁きを下すことはないよ。裁きなら、もうとっくに下ってるだろうし」 また面倒なことを起こされては困ると思い、ソフィスタは言った。 「どういうことだ?」 「あいつがやったことを、全部校長に話して、停学にさせた。エリートだからって鼻を高くしていたあいつにゃ、かなりの精神的ダメージになるだろうね。それに、ボロボロにされた第四実験室の修理費も、全部ミーリウに押し付けた」 ソフィスタは、メシアにそう説明するが、校長や停学の意味が分からないメシアは、それについてソフィスタに尋ねようとした。しかし…。 「…むっ!ミーリウ!!」 近くの角から現れたミーリウの姿を見つけ、メシアは声を上げた。ミーリウも声に気付き、こちらへ顔を向ける。 「ひっ…」 ミーリウは、メシアの姿を見ると、怯えるように肩を震わせた。 「ミーリウよ!貴様に裁きを下す!そこに直れ!!」 「こら、メシア!!」 ミーリウに駆け寄ろうとしたメシアを、ソフィスタは白衣を掴んで止める。 「離せ!邪魔をするな!」 メシアはソフィスタの手を振り払おうとしたが、その時、ミーリウがメシアを指しながら叫んだ言葉に驚かされ、動きを止めた。 「イヤァー!!ふんどし――――――――!!!」 そう叫び、ミーリウは全力疾走で、その場から逃げ出した。 「…ふっ…」 「ふんどし…?」 ソフィスタとメシアを含む、ミーリウの叫び声を聞いた者全員が、その言葉に唖然とする。 そういえば、メシアの下着がそうだったなと、彼の服を脱がして怪我の手当てをしていたソフィスタは、思い出す。 …マリオンと戦っていた時、メシアがミーリウの顔を股間で潰していたよな。それでか…? 考えながら、ソフィスタはメシアの白衣を掴んでいた手を離してしまった。 「ま、待てミーリウ!!私を下着で呼ぶなー!!」 丁度その時、我に返ったメシアが、ミーリウを追って走り出した。 「あ、ちょっと!お前こそ待ちやがれ!!」 ソフィスタは、慌ててメシアを止めようとしたが、既にメシアは廊下の角を曲がり、ソフィスタの前から姿を消していた。 ソフィスタは、頭を抱える。 …あの野郎。朝から何度面倒なことを起こせば気が済むんだ…。 見たこともない種族の上に、常識外れなメシアを学校に連れて行けば、多少は揉め事が起こっても仕方はないと、覚悟はしていた。 しかし、メシアとの生活初日から、しかも午前中だけで校舎の一部を破壊するまでに至る問題が、二度も起こることになろうとは、流石に思ってもみなかった。 もっとも、一度目に起こした問題で校舎を壊したのは、ソフィスタだが。 そして、今も…。 …校舎を壊すようなことはしないと思うけど…あんなカッコでミーリウを追いかけ回しちゃ、確実に捕まるな。 ソフィスタは、大きくため息をつくと、走り出し、メシアを追った。 「メシアー!そんなカッコで走り回るなー!!」 メシアの名を叫んで走りながら、ソフィスタは、こんな生活が今後どれくらい続くのだろうかと思い、自分でメシアをアーネスに居座せておきながら、少し気が重くなった。 (終) あとがき |