メシアがソフィスタを棒の上から引きずり下ろそうとするシーン。
読んで下さった方々、ありがとうございました!



”獣人村でのバカ騒ぎ”

 第十話でメシアが薬の副作用で乙女化しましたが、ヒュブロあたりまでは副作用残しておくつもりで、エリクシア村はさっさと出て行かせるつもりでした。
 しかし、基本インドア派のソフィスタがあれだけ森の中を走り回れば筋肉痛になるだろうし、疲れも取れなさそうなので、もう一日村に滞在させようと考え、それならメシアの副作用もココで治してしまうことにしました。
 女っぽさが抜けるには男らしいことをさせようと思って、村の屈強な獣人の男たち総出で何かさせようと考え、しかし武道大会的なものだとメシアが圧勝しそうなので、大勢でできるスポーツで、なおかつ女性を巡って争えるものがいいなーとあれこれ考えていたら…夜這い祭りという名の棒倒しになりました。
 これはもうギャグにしかなりませんね。ってことで、メシアも村人も山賊も、何かもう勢いだけで騒いでる感じにしました。こういう男たちのバカ騒ぎって大好きです。書いててホント楽しかったです。
 さらに、メシアに対する気持ちを否定し続けるソフィスタが、そろそろめんどくさくなってきたので、これを機に気持ちを認めさせました。
 メシアの許嫁のことも、結婚概念についても書けたし。『メシア、アズバン、ザハムの、超ダラダラした話2』でも、メシアの許嫁について書きましたが、アレは楽屋裏での話ですから。本編で書きたかったのです。許嫁事情。

”ソフィスタ VS メシア”

 冷血で人に無関心なソフィスタが、メシアと出会ってから徐々に変わっていったのは、メシアが疑いようのないほどのバカ正直で、拒もうとしても懲りずに向かってくるからです。
 棒倒しの最中、戦っているソフィスタとメシアの様子は、二人の心を表しています。
 攻撃魔法を喰らっても立ち上がり、防護結界で近づけまいとしても壊される。ソフィスタがメシアを突き放そうとしても、メシアは強引に近づいてくる。ソフィスタが心に壁を作っても、メシアがそれを壊す。…ってな具合に。
 ソフィスタの魔法に対し、メシアは力任せでストレートに攻めるという、互いの得意分野での戦闘も書きたかったですし。ってか、ソフィスタとメシアの戦いは、ホント書きたかった。一度、二人を戦わせてみたかったのです。状況はちょっとアレですが。夜這い祭りだし。
 まあ、試合ではメシアの負けですが、ソフィスタとの戦いでは、心理的にもメシアは勝利したわけでした。
 自分の気持ちに正直で、己を偽らずに接する、裏表の無いメシアの性格が、ソフィスタの意地も理屈もねじ伏せ、心を開かせてゆく。ありのままの姿心で、メシアが人の心や世界を動かしていく。それが、このお話『ありのままのメシア』が目指しているものです。
 今回の二人の戦いの中に、それを感じて頂けたらいいなーと思っております。

”ソフィスタの恋は…”

 いかんせん人間不信で、恋人どころか友達もいなかったヤツですから…って言うか、現時点でも片思いのため恋人がいるわけではないし、自分では友達だと思っている人物は誰もいません。
 まあとにかく、そういうヤツですし、恋愛経験が圧倒的に足りないので、メシアに告白…なんてことは、当分先の話になりそうです。メシアも、人間は対象外なので、好きだと言われても、あくまで友達や家族のような意味でしか捉えないでしょうね。考え方が動物的な面もありますし、種族が違って子を成せない者同士の恋愛は、メシアから見ればサルと人間が恋をしているようなものかもしれません。
 まあ、彼自身、人間の女性であるマリアを気にしてはいますが。そんな馬鹿なことがあるわけないと、戸惑ってはいますが。
 考えてみればみるほど、手ごわい相手が最初の恋愛相手になってしまったものです。ソフィスタもメシアも。
 しかしメシアの相手のほうは…第八話のラストをご覧の通りですがね…。

“次回は演劇かも”

 イヤ、べつにソフィスタとメシアが劇をやるわけではありません。ソフィスタとメシアが、ヒュブロで公演される劇を見るって具合です。
 でもまだ悩んでいるんですよね…他にもヒュブロでやりたいことがあって。しかしヒュブロでの話は一話で終わらせて、さっさとヒュブロを発つ予定です。
 でも、まあ、何にしても、何か考えて書きます。
 そしてまた、読んで下さると嬉しいです。今回も、ここまでお付き合い下さって、ありがとうございました!!

2013.9.15
umiushi


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