■Concert Report 2019■


 

松ア博彦ライブ
■19/1/20 大阪・アビリーン■

 SAMを含め、松アさんのライブは実に久しぶりです! いつも気にかけてはいるんだけど、都合がつかず、申し訳なく思ってます、ホント!
 このライブハウスも初めて行きました。
 表のポスターには、「京都フォークの流れをくむ、最後のフォークシンガー」と…… 「最後」って…… もの悲しくなるようなキャッチフレーズですね。
 京都出身のミュージシャンって結構いるのに(倉木麻衣さん、くるり、ヤバイTシャツ屋さんなど)、断絶してるんですよね。フォークの精神って、全く受け継がれていません。京都に限らないけどね。惜しいことです。

 さて、ライブは「アメリカンドリーム」「SISI」「光の海」「くよくよするなよ」「シャボン玉のいのち」「誰にも同じように」「八ヶ岳」など、辺野古基地問題や万博の話にも触れながら唄ってくれました。
松アさんライブ
 休けいをはさんで後半は「スタイルだけでも」「旅立つぼくのために」「ベトナムの空」「おもかげ」「西瓜太郎」「WAKAME」それに最後は大作「若狭炎上」も聞かせていただきました。
 アンコールは「ありがとう」。
 昨年完成したライブCDも買わせていただき、久々の生歌・生演奏を味わうことができました。フォークス、SAM、ヒューマンズーの曲のほか、「八ヶ岳」や「ベトナムの空」も唄ってらっしゃるとは知らなかったです。弘兼憲史さんのマンガ「ホットドッグララバイ」も紹介していただきました。読んでみようかな。

(掲載: 19/6/17)

諸口あきらを唄う
■19/5/6 京都・都雅都雅■

 一昨年亡くなった諸口あきらさんゆかりのメンバーが集ったライブが開かれました。心しみじみ追悼する、というより、なつかしい兄ィのレパートリーをみんなで唄おう…… というようなイベントでした。

●諸口あきらさんのこと
 同世代のご多分にもれず、当時の深夜放送はよく聞いていました。ともやさん、ナターシャとの交流も深く、宵々山コンサートでも歌を披露されていました。都々逸もお得意でしたね。ナターシャをいつも「前座」と呼んで会場を沸かせていましたっけ。
 諸口さんは当時の若者に圧倒的人気のタレントさんで「やんちゃ坊主」っていう感じだったかな。DJやMCは、下ネタも多く、わーわーきゃーきゃーあーでもねーこーでもねーと、歯に衣着せないトークでえーらいこっちゃの大人気でした。学生時代に印象深く残っている、忘れられない方です。
 私の高校の学園祭では、クラスの8ミリ作品として諸口さんと山崎弘士アナウンサーへのインタビュー、というより、二人の掛け合いを撮影したフィルムが作られたりもしていました(ギャラはどーしてたんだろ?)。
 ただ、私自身は、まじめなともやさんやナターシャに比べて、おふざけの多い兄ィは(面白かったけど)それほど好きだったわけではありませんでした。「もろぐち邸」もとうとう一度も行かなかったな……。
 80年代、90年代は、縁がなくなって、声を聞くこともなかったのですが、後期の宵々山に出演されたり、近年もライブのゲストに呼ばれたりしていたのをお見かけしていました。
 お年は取られた感じで毒が抜けたかとも思いましたが、相変わらずの遊び人の風情で、周囲を振り回したりしていたようです。

諸口さんありがとう

●ライブレポ
 今日のライブは、そんな諸さんをなつかしい曲で思い出す会になりました。
 当時、あんなに人気を集めていたので、もっと大勢集まるかと思っていたのですが…… 私でも出かけてきたのにね。
 ウクレレを弾く笑顔の写真をステージ前に、進行役の松ア博彦さんが、諸口さん作詞の「真夏のクリスマスツリー」でトップを飾りました。つづいて赤木一孝さんが登場し、SAMとして「悲しきディスクジョッキー」(「悲しみのディスクジョッキー」も聞きたかったなー)。「風が痛い」をはさんで、これもよく唄われていた「鉄道ぐらし」。
 続いて、坂庭寛悟バンドとSAM、小川イタルさん(KB)でLPにも入っている持ち歌「生きるものの歌」と「今宵恋に泣く」、「青春の唄」……。
 次は進藤了彦さん、西田晃治さんの七人の会バンドに平沼義男さん(Vo)、松アさん(B)が加わって「ホーボーズララバイ」「Last Thing On My Mind(この思い)」それに「五番街のマリーへ」…… 諸口さん、この歌がお好きでよく唄ってましたね。諸さん独特の節回しがあるんですよね。
 さらに、小田イタルさん(KB)に坂庭さんのクラリネット、松アさんのベースで、「For the Good Times」「Release Me」「Too Young」…… 「Release Me」もよく聞きました……

 第2部は北村謙さんが登場。<ばっくすばにぃ>というバンドで、兄ィの弟分みたいな存在だっただけに、今日のお話しでも、実際、電話で呼びつけられたり、FAX で歌詞を送りつけられたり、あれこれ振り回されたり、苦労させられたりしたようでした。今となってはいい思い出なのかもしれませんが、苦笑いしたくなるような、奔放なエピソードをたくさん残して行かれたようです。歌は、そんな諸さんの詞に曲をつけたという「風が見えたら」。
 本日のトリは石橋イサオさん(G)、中村ショウゾウさん(B)、ドン山口さん(ドブロ)に坂庭さん、小田さんも入り、「ジャンバラヤ」「峠のわが家」「ケアレスラブ」「オハイオの岸辺」「君を求めて」「You Are My Sunshine」を聞かせてくれました。
 アンコールはオールメンバーで「家へ帰ろう」(松アさんVo、キングトーンズの曲)と、そして、諸口さんの代表曲といえばこれ☆ 名曲「リターントゥパラダイス」をみんなで唄ってお開きとなりました。

諸口兄ィ  

●思い出のかずかず……
 諸口さんの歌といえば思い出すのは、他にも「キーストンブルース」や「ラストトレイン」「ひとりぼっちの夜」、「古い手紙」「ケアレスラブ」「コールドコールドハート」に「ランブリンボーイ」、「私に人生と言えるものがあるなら」それから「見知らぬ旅人」っていうのもあったなぁ……
 浅田美代子さんの「しあわせの一番星」を“これはカントリーだ”と言ってよく唄われていました。私も時々この歌をギターで唄うようになったのは、兄ィの影響なんですよ♪
 ラジオでは「がんばーれー、あーきーらー」なんていう脱力系の?ジングルを作ったり、「田舎のねぇちゃん……♪」なんていう歌? もよく唄ってましたね。いいコンビだった山崎アナや小杉アナも飛び入りしてくれたらサイコーだったかもね。 みんな思い出になってしまうんですね。

(掲載: 19/6/17)

内藤希花バンド
■19/6/23 京都・細見美術館 茶室 古香庵■

 内藤希花さん&城田じゅんじさんのライブは2年ぶり。日程が合わなくて行けなくて…… すごく待ち遠しかったです。
 今日の会場は京都岡崎公園近くの美術館最上階にあるお茶室のあるスペース。吹きさらしなので、雨でなくて良かった♪ 東山や暮れゆく夕空が望めるすてきな会場でした。会場選びも毎回楽しみですね (*^_^*)
 ゲストはチェロのアレック・ブラウン Alec Brown さん。新しいCD “Listening to the Outside World”と“Just a Hunch”のリリースツアーとなります。

 今日は希花さん、終始しゃべりっ放しで(!)当初ほとんど声も聞けなかったことを思うと別人のようによくしゃべってました。笑いも取るようになって、立派に成長されました☆ じゅんじさんから司会進行役もバトンタッチですね。
 晴れ男じゅんじさんの話や、三人の自己紹介に始まり、1曲目は“Farewell to Trion”。続いて facebook で見つけたというアレックとのなれそめなどを、手描き地図などを使って紹介。一昨年12月に初来日…… なので、丁度私が行けなかった時でした。そして2曲目は「チェロスタイルを聞いてもらえるセット」を。さらに、“Night in That Land”と“Fusco”のセット。そして前回の滞在中にアレックが唄っているのを耳にして歌ってもらうことになったという曲。タイトルは“Cocoo”でしょうか? それからワルツ“Margaret's / Amelia's”と、“Chanter's Song”で休憩となりました。

 後半最初のMCでは、先日のラグビーのイベントで「内藤希花バンド」と勝手に名づけられたというお話が(そこで、今回のレポートもそーゆー名前にしちゃいました)。
 “Lonsome Jig”と“Fraher's”のセット演奏のあと、希花さんが今度は「アレックのしょーもない話」をして受けてました。アレックに余計な日本語を教えた時のことなんですが、三段落ちのある、こんなネタを希花さんが披露するようになるとは、オドロキですねー (^o^;
 “Sally in the Garden”のあと、アレックが PhD をとった、という話になり、「Doctors and Patient」だ、とこれはじゅんじさんのセリフ。
 そして、“Jewish Reel”こと“Shepherd’s Dream / Ongo Bucharesti”……これは、希花さんがフィドルとアコーディオンのパートを一人で弾いてしまうので絶賛されているそうです。
 さらに、この後はアレックがアカペラでボーカルソロを唄ってくれました。
 希花さんがハープに持ち替えて“悲しくてやりきれない”と“Lost Lula”。この時は演奏終了に合わせて、救急車のサイレンが響くという絶妙なハプニングつきでした。
 そしてハープでもう一曲“Green Fields of Glen Town / Jerusalem Ridge”を聞かせてもらった後、今度はコンサーティナで“Tribut to Peader O'Donell / Each Little Thing”“Leaving Brittany / Horizon”を。
 締めは“Joe Coleman's March”“Big Country”のセット、そして最後にもう1セット“Ashokan Farewell / Coccinelle”をアンコールに演奏してくれました。

 今日も心地よい時間をありがとうございました。
 公開の始まった劇場アニメ「薄暮」(山本寛監督)で、希花さん、演奏したそうですよ。舞台あいさつにも呼ばれたようですね。
 活動の巾が広がってこれからも楽しみです! いよいよ次は歌ってくれるかな!?(ウソですよ)
 (いつものコトですが、曲名はできるだけ確認の上記載していますが、間違っているかも知れません。ご承知おき下さい m(__)m)

(掲載: 19/10/17)

京都で、恋とフォーク
〜夕暮れ社 弱男ユニット 初夏の青春謳歌劇〜
■19/6/28 京都市東山青少年活動センター 創造活動室■

 新聞記事で興味を持ち、出かけて行ったお芝居です。
 元々お芝居というもの自体、今まで数回しか見たことがなく、前回は20年も前の「サクラ大戦」という演劇初心者ですが…… (^_^;)

 中津川出身の元ロコドルで反戦アングラフォーク大好きの京都の大学生、古谷聖子が主人公。所属するフォークソング研究会がニューミュージック寄りなことに不満を持っている。地蔵盆での発表会を前にした合宿で巻き起こるドタバタ劇。
 紹介文から想像していたのは、軟派なフォーク研究会にメッセージソングやプロテストソングを甦らせよう! という内容だったのですが、実際はサークルメンバーの三角関係やら二股やらストーカーやらが中心の展開で、フォークソングをめぐる問題は空回り、ただの舞台背景に過ぎませんでした。京都で、恋とフォーク
 出演者9人全員がギターを抱えて並び、「戦争を知らない子供たち」や「悲しくてやりきれない」「風に吹かれて」「友よ」などを唄う姿は壮観で、オリジナル曲も織り交ぜていて、それはそれで立派でしたが、ちょっと期待外れで物足りなかったですね。
 本来子供のための地蔵盆で「おじいちゃんおばあちゃんにフォークを聞かせる」というのは違和感(それ以上に、フォークは老人の聞くものと思われてるのか!?)がありましたが、インスタライブをやろうという時に「生演奏が大事」と主張した聖子のセリフは評価したいと思います(けっきょく配信したけどね)。ギター以外の楽器もあった方が良かったですね。
 作・演出:村上慎太郎

(掲載: 19/10/19)

杉田二郎 きたやまおさむを歌う
ちょうど良いかげんなコンサート
■19/8/2 大阪 ザ・シンフォニー・ホール■

 最初に登場したのはきたやまおさむさん。まずは“天国と地獄、祭りと日常、理想と現実といった二面性、落差の間を行き来する時、どう生きるか? バランスを取ってうまく使い分けるということがようやくわかってきた”というお話をされてから、本日主役の杉田二郎さんを呼び込みました。
 曲は「涙は明日に」「朝日の前に」「青春の別れ道」「男どうし」♪  きたやまさんは杉田さんに“身体を大事に。あなたが死んだら私の歌を歌う人がいなくなる”と、冗談交じりのいたわりの? 言葉をかけておられました。
 次はスペシャルゲストの高石ともやさんの登場です。歌は「さすらい人の子守唄」「感謝」「再会」、そして一部のエンディングとして「あの素晴しい愛をもう一度」では、きたやまさん曰く“加藤和彦の一番嫌いな終わり方――もったいつけて大層におわりたい”というコトバを受けて、最後のフレーズを3回繰り返して終わりました。
 きたやまさん、加藤和彦さんの痛手がいつまでも残っているんですね……

 休けい後は再び二郎さんときたやまさんのステージになりました。
「白い鳥にのって」「題名のない愛の歌」「積木」「祈り」そして“70才になって初めてできた、私たちの人生の結論”だという「人生の階段」。“加藤和彦はあっさり終わるのが好きだから、あっさり死んだ。だらだら生きてまいりましょう”と訴え、最後は「戦争を知らない子供たち」で締めました。
 アンコールは3人で「風」と、大合唱になった「帰って来たヨッパライ」。きたやまさんから“ともやさんだけ歌詞カードを置いていない”との鋭い指摘がありました☆ “その代わり時々作詞している”と付け加えてですが (^o^;

 きたやまさんの“泉のように詞が生まれて来ていた”“絶好調だった”という若い頃を振り返る言葉が聞けたのは感慨深かったです。それは同時に、時の流れ、杉田二郎きたやまおさむを歌う(お互いに)年令を重ねてきたことの残酷さをつくづくと思い知らされることでもありました (T-T)
 また、今日は、開演間もなく、2、3階席前方から“聞こえない”“何を言っているのかわからない”という前代未聞のクレームが連発 (>_<) マイクなしでしゃべってみたりもしたものの、最後まで有効な対策がないままに終わりました。
 私も長年、いろんな会場のいろんなコンサートに行ったけど、こんなことは初めてで驚きましたが、その後、あるイベントで前方下手の席になった時、少し声が聞きとりづらく、ありうることなんだな……と思った次第です。

(掲載: 19/10/23)

高石ともや フォークフェスタ
第39回 平和のための京都の戦争展
■19/8/4 立命館大学 国際平和ミュージアム■

 立命館大学の戦争展は毎年開かれていますが、呼びかけ人の一人、高石ともやさんのライブは(私の知る限り)今年が初めてかも?
 前半は、灰谷健次郎さん、大江健三郎さんや遠野の叔父様のお話をされたり、「ハンパク」のチラシに反応されたりしてスタートしました。
 「遠い世界に」「海に向って」「イマジン」「学校で何を習ったの」「大統領殿」「わらぶきの屋根」「ワクワク」「あくび」「陽気に行こう」を、途中岩手戦争展弁での宮沢賢治朗読も交えつつ、 唄っていただきました。
 後半はフィドルを持って再登場。女子駅伝の話をされてから「おじいさんの古時計」。続いて「帰って来たヨッパライ」「再会」「蝉しぐれ」「友よ」「ベトナムの空」などを唄われ、最後は「街」に「あの日の授業」を織り交ぜながら唄ってくれました。

(掲載: 19/10/25)

ピースライブ
■19/8/31 京都教育文化センター■

 今年もトップバッターを務めるのは川口真由美さんです。裸足でパワフルにギターの絃も切りながら、沖縄・辺野古で闘う歌を聞かせていただきました。
 次に登場した高石ともやさんは、先月の京アニ放火事件に触れられました。「響け! ユーフォニアム」を見てらしたんでしょうか、メロディを吹かないユーフォニアムを取り上げたことや、ヒーローじゃなくていいということ、名もないスタッフ、キャストが力を合せて作ったことを評価して、“京アニがやると泣ける”とおっしゃっていました。ズバリクでアニソンを毎週かけてたともやさんらしい言葉です!!
 “あの歌もあの夢ももう消えてゆく”“あの海もあの星ももう唄わない”――「さすらい人の子守唄」を唄いながら、その歌詞を引き合いに出されて、かみしめるように歌われていました。そう思って聞くと、涙が出そうになります……
 そのあとは「戦争を知らない子供たち’83」「ヘイ ミスターキム」「海に向って」「山と川」を唄われましたが、「海に向って」でも“京アニの事件にも立ち尽くすばかりだ”――とコメントされていました。
 第一部のトリは松元ヒロさん。今日は「憲法くん」はなかったですが、爆笑の話術にはぐいぐい引き込まれてしまいました (*^_^*)
 「ルーマニアの自由化は一人のヤジで始まった」、「15%が変われば変わる」、という「15%理論」を教えてもらいました。
ピースライブ
 第二部は今年20周年を迎えるという<ジュスカ・グラン・ペール>の二人から。ギターとバイオリンのバラエティに富んだインストゥルメンタルを聞かせて下さいました。
 大トリは雑花塾増田康記さん、山本忠生さん、鈴木幹夫さんの3人です。「焚き火」「豊かな青い海」に続いては、性同一性障害を取り上げた「ぼくの私」という歌。いつも社会の問題を、弱い立場の側から取り上げていく姿勢は健在ですね!
 そして、「アザミの花」と「ひとつぶの涙」で締めくくりました。


 ラストは出演者全員がステージに集合して「平和の暦」「真実は沈まない」そして「私に人生と言えるものがあるなら」を会場と共に歌いながら幕となりました。

(掲載: 19/10/28)

’19 椛の湖フォークジャンボリー
■19/9/1 椛の湖 野外ステージ■

●一人前のフォークファンに!
 元祖フォークジャンボリーはもちろん、<いこまいか>にも行ったことのない私にとって、椛の湖はあこがれの場所でした。40周年の時や、他の“フォークジャンボリー”と銘打ったコンサートにも行ったことがなく(憲法フォークジャンボリーをのぞく)、これは、私にとっては一種の心の負い目のようなものでした。
 今回50周年では、高石ともやさんが参加されるとのことで、重い腰を上げました。
 一番心配だったのは天気。台風でも来たら中止しようと考えていたんだけど、何とか荒天は避けられそうだったので、決行です!
 ついに椛の湖に足を運び、フォークジャンボリーの名を受け継ぐコンサートに参加して、50年遅れてきた無念や気後れも晴れたような気がします。思い残すこともなく、良い冥土の土産になりました。これで、ようやく50年前の参加者と対等な、一人前のフォークファンになれたかな……?

●ライブレポート
 シャトルバスに積み残されちゃったので (>_<)、開演時間に少し遅れてしまいました。土着民のステージがすでに始まっていました。
 バスを降りると、売店やフォークジャンボリーの写真も展示されている「センターハウス」があります。その先の広場が会場で、生演奏が聞こえてくると、ついにやって来たんだなぁーという実感が湧いてきました♪♪ 入場ペンダントを受け取って、芝生の会場へ入場します。奥を見ると椛の湖が! 時間が許せば、ブラブラと散策もしたいところでしたが…… (^.^;
 ステージには近づけませんでしたが、後方にスペースを確保し、落ち着いた頃には、バラーズのコーナーも中盤に……

***
 バラーズもメンバーのお一人(岡本寿子さん)が引退されてしまったとのことで、平岩美佐子さん、福中いずみさんのお二人での登場でした。
 今回進行役は、我夢土下座の間宮さん。続いては、元五つの赤い風船の長野たかしさんと、森川あやこさん。西岡たかしさんとはまた違う、独自の活動を続けておられます。
 そして、田中鉦三さんは、FJの思い出話のあと、我夢土下座と共に、伝説の名曲「親父の人生」を唄ってくれました♪ レコードで何度も聞いたあの歌を、40年後になってナマで聞けるとは! 感無量〜(*^v^*)
 引き続いて我夢土下座のステージ。MCでは会場の参加者にどこから来たか聞いてみたり(東海〜関東甲信越が多かった)、亡くなった方々を偲んだり…… 物故者の多さには改めて驚かされます。
 次に登場した安保洋勝さんは、当時のポスターも見せながらFJの時の苦労話などをされ、高石ともやさんにつなぎました。
 当時のライブ盤等を聞くと、結構ラディカルな発言が多かったと思われるともやさん。今回の出演者が皆さんメッセージ性の強いプロテストソングを多く唄われていたのに対して、一曲目は「労務者とは云え」でしたが、<穏健派>という感じでしたね〜。「わが大地の歌」なんか、いつものグダグダな歌い方で、歌詞も間違ってるし、折角盛り上がる歌なのに、もう少しムードとか演出とか、考えて欲しいなー (^o^;
 それから、今日も、京アニのお話もされていました。
***
 そのあとは、フォークジャンボリー初出演なお二人が登場。
 よしだよしこさんは、強制送還者の飛行機事故を歌った歌や、「青春の光と影」の日本語訳、佐久間順平さんは高田渡さんの「ごあいさつ」や、谷川俊太郎さんの「戦争しない」などを聞かせて下さいました。
 クライマックスも近づき、中川五郎さんが、安倍首相との共作(笑)や、15分を超える大作でパワフルに盛り上げてくれます。ストレートなプロテストソングはオシャレじゃない……ナドとよく言われるけど、五郎さんみたいにハッキリ言ってくれるの、好きです!
 トリは六文銭小室等さんやこむろゆいさんは何度か見てますが、及川恒平さん、四角佳子さんは初めて! 及川さんが唄う「雨が空から降れば」や「面影橋から」が聞けたのは感激でした♪ 一曲目に唄われた「ゲンシバクダンの歌」も、カンドーものですっ (*^_^*) 私の今日一番の収穫はこの六文銭でした☆
***
 いよいよエンディング☆ 照明がないので日没までに終わらないといけないそうです。
 最初は小室さん+中川さん+佐久間さんのコラボで、おなじみの曲を何曲か。大トリとなった、ともやさん+我夢土下座も、フィールドフォークの名曲を。
 最後は全員が勢ぞろいして「私に人生と言えるものがあるなら」を会場も一体となって歌い上げました。

 実行委員長さんの締めのあいさつ「戦争のない、自由に歌の歌える世の中であってほしい」「次の世代に譲りたい」との言葉で、今日の記念すべきイベントはお開きになりました。

●まとめ & 感想
 フォークジャンボリーと言うと、有名フォーク歌手が主役というイメージを持っていたのですが、今回は地元勢の我夢土下座や笠木透さんのカラーが強く出ていたような気がしました(雑花塾の出演はなかったけど)。
 観客の多くは50年前には来なかった世代のようでした。当時詰めかけた大多数は、高齢で(失礼!)来れなかったのか、それとも軽いノリで集まっただけの連中だったのか……
 最後は「友よ」あるいは、「遠い世界に」で締めるのかなとも思いましたが、「私に人生と……」で終えたところも、当時との違い、時代の違い、流れを感じました。当時の過激さ? が再現されることも少し期待していたんですけど、「フォークソングはどこへいった」「語り継げ戦争 歌い継げ平和」といったのぼりに込められた思いや、今日もたくさん唄われたメッセージソングに50年前の気持ちは失われていないことも感じることができました。

 気がかりは、次の世代に果たして受け継がれてゆくかどうか。99年の「フォークキャンプ」の時はみんな年取ったと思いながらもまだ50代だったのに、今や70代…… とてもさみしく、残酷でもあり、悲しくなってきます。
 それでも今日は、思い切って参加して、本当に良かったです。遅れちゃったので、展示や寄せ書きが見られなかったり、Tシャツも完売になったのが心残り。
一番心配していた天気も持ちこたえ、暑さもほどほど、時には日差しも差し込む空模様でちょうどいい感じのコンサート日和でした。


'19 椛の湖フォークジャンボリー セットリスト

土着民 ………… 私の人生サブステージ/老いてフォーク 他

バラーズ ……… 都会びとよ/悲しみを束ねて/想いあふれて/風の子守唄

長野たかし&森川あやこ ……… 生きる/灰色の町/Fight to the Last/私が私と言えるよう

田中鉦三 ……… 親父の人生

我夢土下座 …… 海に向って/ベトナムの空/ランブリン・ボーイ/詰め草/特攻花/
        君は夜汽車に

高石ともや …… 労務者とは云え/再会/ハエハエハエ/わが大地の歌/ほっちょせ節/
        感謝/受験生ブルース

よしだよしこ … Departee/青春の光と影/She Said No!

佐久間順平 …… ごあいさつ/戦争しない/It's Fine Today/生かせいのち/ありがとうの歌

中川五郎 ……… Sports for Tomorrow/ピーター・ノーマンを知ってるかい/
        I Shall Be Released

六文銭  ……… ゲンシバクダンの歌/インドの町を象に乗って/雨が空から降れば/
        私は月には行かないだろう/一人ぼっちのおまつり/街と飛行船/
        面影橋から/道

小室・中川・佐久間 …… おいでよ僕のベッドに/みんなふるさと/大きな壁が崩れる/
            出発の歌/くつが一足あったなら

高石・我夢土下座 ……… 山と川/私の子供達へ/私に人生と言えるものがあるなら



Internet Explorer では、動作が変ですが、表示はされています。

(掲載: 19/11/5,19)

谷山浩子 猫森集会 2019
プログラムA やっとつかまえたすみぺ姫
■19/9/14 こくみん共済COOPホール(全労済ホール)/スペース・ゼロ■

猫森集会2019 猫森集会にすみぺがゲスト!! これは大変なチケット争奪戦に……!? 果たして私なんかが行ってもいいものか!?
 浩子さんは40年以上前からファンだけど、コンサートには数回しか行ってない……。すみぺはFCには入っているけど、全通する程の模範的同志でもない……
 悩みました。ここは、申し込みして、もし当選したら、神様のお許しが出たのだ、と考えることにして、無心で先行申込みしたら、何と当選!! 自信を持って堂々と参加することにしました☆

●オープニング
 さすがの型破りなすみぺも、今日は少しおとなしくしてるのかと思いきや! エキセントリックな発言はいつも通りで、振り回される? 浩子さんとの会話も面白かったです (*^_^*)
 浩子さんは、今回のパンフ写真の紺のワンピース姿で登場。 まずは、ソロで「君の時計がここにあるよ」「きれいな石の恋人」「きつね」の3曲を演奏。
 小山茉美さんや笠原弘子さんなど、これまでにも声優さんに曲提供したという(笠原弘子さんの「シロツメクサの想い出」(銀の記憶)、「いつかきみと……」(アーク)の2曲は特に私の好きな曲です)お話に続き、声優さんに書いた曲から「SHADOWLESS」(今井麻美さん)、「鳥籠姫」(岩男潤子さん)、「KARA-KURI-DOLL」(豊崎愛生さん)の3曲を聞かせてくれると、いよいよ! ゲストの上坂すみれちゃんが登場です!! お衣裳は Melody Basket v

●すみぺ登場☆
 早速のお二人は、すみぺの好きな浩子さんの曲リストが豊崎さんの同じリストと「1曲もかぶってない」ことから、「白と黒だ」(正反対の属性だ)という会話から始まりました。浩子さんが毎回誘っていたけどスケジュールが合わず、ようやく実現したと喜びを伝えると、「ともに光の者たちを倒すために戦う者どうし」だと、自己流の表現でリスペクトをアピール。
 すみぺの唄う1曲目は、セリフの入った本人作詞の「ミッドナイトvお嬢様」でした♪
 「ソ連を復活させようという赤い思想の持ち主」と、平然と語るすみぺとペンライトやマンガの話をはさんで、新曲の問題作!?「ボンvキュッvボンは彼のものv。同志諸君がピンクのゲバ棒を振る一方(私は浩子さんに遠慮して持って行かなかった)、浩子さんがコーラスを入れるという、超レアなパフォーマンスになりました。
 「以上の2曲で、今ツアーの70%くらいのエネルギーを使った」という浩子さんに、「こういう厳かな場で唄ったことがない。普段のライブでは聞こえない拍手があって、心が浄化された」と答えるすみぺ。「今日は異文化交流ですね」と浩子さんがまとめていました。

●すみぺ sings 谷山浩子
 続いて「上坂すみれの唄いたい谷山浩子の歌」のコーナーです。二人の共演がたっぷりと味わえました。
 「ボクハキミガスキ」「たんぽぽ食べて」、<夢半球>風のセリフでつないだ組曲「扉」「椅子」「夜のブランコ」「会いたくて」――
 浩子さんは、声優さんが唄うことで生まれるリアリティを、
 すみぺは、孤独に寄り添う浩子さんの歌の世界をお互いに感じあっていたようです。
 そして、お待ちかね、二人のコラボ曲「無限マトリョーシカ」。浩子バージョンの「ヘイ!」を入れて、とのことでしたが、私はタイミングがわからず、うまく入れられなかったです (T.T) ごめんなさいです m(__)m
 ラストの曲になった「てんぷら☆さんらいず」について、浩子さんが「東京駅で夕陽を見て作った」と明かすと、すみぺは「産地偽装じゃないですか!」と、持ち前のボキャブラリーで突っ込んでいました。

 アンコールのMCでも、ブルーレイ発売の告知で「陰謀論」発言が飛び出すなど、すみぺ節全開。
 お別れの曲はこれもすみぺの選曲で「ねこ曜日」。柔らかく、しっとりとした歌で幕となりましたが、冒頭で浩子さんが歌詞を間違えたのが許せなくて唄い直す、と言うおまけつきでしたv

●奇跡の時間に感謝
 「扉」などの、大好きな<夢半球>風の組曲や、お気に入りの「ボクハキミガスキ」、オールナイトニッポンで耳なじみの「てんぷら☆さんらいず」などをこんな夢のような形で聞けるなんて、本当に信じられません。すみぺの歌声も、少年風、少女風と、じっくり味わうことができて、新しい発見だった気がします♪
余りのことなので、頭に血が上ってしまってよく思い出せない、覚えていないとこもあって、それが悔しいです……(泣)
 でも…… どこか、浩子さんの歌に乗せたすみぺの歌声が、今も耳に残ってますよvvv

 40年前、高校生の時から大切に聞き続けてきた浩子さんと、5〜6年前衝撃的にめぐりあったすみぺとが共演する奇跡!! こんなに年の離れた私とすみぺが、同じ浩子さんを好きになるという不思議!! 事実は小説よりも奇なり。40年前には想像もしなかった魔法が起こった瞬間でした☆
 「長生きして良かった」「生きてて良かった」、そして、「しあわせ」とは、こういうことを言うんでしょうか。

(掲載: 19/12/4)

高石ともや 年忘れコンサート '19
■19/12/29 サンケイホール ブリーゼ■

 恒例年忘れ、今年は「私を待つ人がいる」「丘の上の校舎」「わらぶきの屋根」「どこにいればいいんだろう」と、カーター・ファミリー系ナンバーからスタートしました。
 「私に人生と言えるものがあるなら」の後は、ゲストの中川五郎さんにバトンタッチです。「運命 運命 運命」「自分の感受性くらい」「思い出しておくれ」「雪よ降れ ヒンズークシュの山の上に」の4曲を歌ってくれました。
 休けいのあと、ともやさんが再登場。今年のホノルルマラソンは9時間38分かけて完歩したそうです。棄権したら連続完走がストップするというので…… 執念ですね!
年忘れ19 歌は「ホノルル・モーニング・ラン」、続いて「どうにかなるさ」「白い色は恋人の色」のカバー2曲と「おいで一緒に」を聞かせていただきました。
 令和元年の歌では京アニ事件にも触れ、「乾いた大地に」「ヘイ・ミスター・キム」という久しぶりに聞く2曲と「西武門節」「八丈太鼓ばやし」の民謡2曲、「街」「野の花の歌が聞こえますか」そして「陽気に行こう」で締めとなりました。
 アンコールでは「さよならが言えない」「ヘイ・ヘイ・ヘイ」を歌った後、最後に五郎さんを呼んで終演となりました。
 今日のメンバーは坂本健さん、河合徹三さんと村尾あいさんの3人でした。

(掲載: 20/7/19)